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ぼっち─選択はあなたに─

第15章 バトルトーナメント【4回戦】

「父ちゃん……」

 メキユはそっと目を閉じた。
 この視界では視覚機能は役に立たない。ならば、音と振動で判断するしかない。

 ウオンッ

 その時どこからかエンジンの唸る音が聞こえてきた。しかしそれだけでは位置がわからない。メキユは両手を地面につけた。

 後方から振動が伝わってくる。
 メキユがカッと両目を見開くと、霧の中からバイクに跨がったタキシゲールが現れた。

「いえいっ、セグウェイ水戸のカタキぃ!」

 タキシゲールはバイクの前輪を浮かせ、メキユに襲いかかる。しかし簡単に避けられ、バランスを崩してしまう。

「おっ……おおおっ!?」

 タキシゲールはバイクから放り出された。
 しかしバイクは暴れ馬のように、再びメキユに襲いかかる。

「父ちゃん、おらに力をっ……!」

 瞬間、メキユのガスマスクが包丁に変形した。
 そのままバイクの前輪タイヤに投げつけると、

 パンッ!!

 見事命中し、タイヤは破裂した。

「あと一人……」

 メキユの手元に包丁が戻ってくる。
 視界はバイクがあちこち走り回って風を起こしてくれたおかげで、ほぼ見えるようになっていた。

 

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