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ぼっち─選択はあなたに─

第16章 休憩タイム

「ふふ、食欲があるのはいいことだわ。何か売店で買ってくるわね」

 ユズリノが医務室を出ると、なぜかアズサもついてきた。

「俺も行く」

「あら、珍しいわね。ずっと『自分は興味ない』って顔してたのに」

「あのメンバーであそこにいても苦痛なだけだし」

 無口なヤマモトゲンスケと、言葉が通じないミトナツコ。想像すると、確かに困惑するアズサの姿が目に浮かぶ。

「じゃあ、あなたは荷物持ちね」

 ユズリノはアズサと売店に向かった。そして、手軽に食べられるものをいくつか買った。

「はい、どうぞ」

 ユズリノはアズサにサンドイッチを渡す。

「私たちも腹ごしらえしなきゃでしょ、これからまた戦うんだから」

「……」

「ん? サンドイッチだけじゃ足りない?」

 するとアズサはフッと鼻で笑った。

「今から戦うかもしれない相手を元気にさせてどうすんだよ。さっきから見てたけど、あんたって世話焼きだよな」

 皮肉を言いつつ、アズサはサンドイッチにかぶりつく。

「ん、うまい」

 笑顔になったアズサの顔を見て、ユズリノは微笑する。

「そうね、職業病ってやつかしら。私、元シスターなの」


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