
ぼっち─選択はあなたに─
第18章 バトルトーナメント【6回戦】
「その包丁で内側から脱出するのよ!」
メキユはレシピェールが投げてくれた包丁を拾う。
「父ちゃんの包丁じゃないのに……おらにできるんだろうか……」
躊躇しながらも薔薇のツルを斬りつけると、ツルの破片がボトボトと足元に落ちた。しかし少し経つとまた再生し、逆に隙間を埋められてしまった。
「だめだっ……再生してしまう! やっぱり父ちゃんの包丁じゃないと無理だべっ……!!」
メキユは膝から崩れ落ちた。
「父ちゃんっ……父ちゃんっ……!!」
前のように自分がピンチの時に助けにきてほしいと願うメキユだが、いつまでたっても父親の包丁は助けにくる気配はなかった。
「父ちゃん……」
やっぱりさっきので、父親はもういなくなってしまったんだ。
『メキユ──強くなりなさい』
メキユは父親が言った言葉を思い出す。
「父ちゃんがいないのに、おら強くなんて……」
その時、薔薇のツルの隙間から暖かい光が射し込んできた。
──メキユ、自分を信じなさい
「!」
──大丈夫、お前ならできる
「父ちゃっ……」
──私の最後の力を、お前に授けよう
キラキラと暖かい光がメキユの体に降り注ぐ。
それは愛しい娘への、最後の愛だった。
メキユはレシピェールが投げてくれた包丁を拾う。
「父ちゃんの包丁じゃないのに……おらにできるんだろうか……」
躊躇しながらも薔薇のツルを斬りつけると、ツルの破片がボトボトと足元に落ちた。しかし少し経つとまた再生し、逆に隙間を埋められてしまった。
「だめだっ……再生してしまう! やっぱり父ちゃんの包丁じゃないと無理だべっ……!!」
メキユは膝から崩れ落ちた。
「父ちゃんっ……父ちゃんっ……!!」
前のように自分がピンチの時に助けにきてほしいと願うメキユだが、いつまでたっても父親の包丁は助けにくる気配はなかった。
「父ちゃん……」
やっぱりさっきので、父親はもういなくなってしまったんだ。
『メキユ──強くなりなさい』
メキユは父親が言った言葉を思い出す。
「父ちゃんがいないのに、おら強くなんて……」
その時、薔薇のツルの隙間から暖かい光が射し込んできた。
──メキユ、自分を信じなさい
「!」
──大丈夫、お前ならできる
「父ちゃっ……」
──私の最後の力を、お前に授けよう
キラキラと暖かい光がメキユの体に降り注ぐ。
それは愛しい娘への、最後の愛だった。
