
ぼっち─選択はあなたに─
第19章 優勝者 VS クロード【選択5】
「おいおい、マジかよ。だとしたら、あのメキユという女の子も……」
「何考えてるかわからない伯爵のことだ、もしかしたらクロードとの戦い次第では今後の対応が変わるかもな……」
討伐隊たちはなんとも言えない顔をすると、ゾロゾロと観客席に戻っていった。
その頃、特別席ではザッハ伯爵の前で跪くユズリノをヒカルが心配そうに見守っていた。
(この人、さっき戦ってた人だよね。薔薇のトゲであちこちから血が出てるのに、こんな所連れてこられて……先に医務室で治療させてあげればいいのに!)
「──ではお前は、その《禁断の旋律》を教えてくれた者の顔を見ていないのだな?」
「はい……何者かはわかりません。ただリュートという楽器を持っていたことしか……」
それを聞いてヒカルはドキッとした。
リュートを持っている人物と聞いて、すぐにリュージンの顔が浮かんだ。しかもさっき呪いについて聞いたばかりだから、気になってしまう。
(リュージン……ユズリノさんに呪いを教えたのはリュージンじゃないよね? 呪いをする人があんな綺麗な音色を弾くはずがないし……それに呪うために楽器を利用するなんてって怒ってたし……)
「何考えてるかわからない伯爵のことだ、もしかしたらクロードとの戦い次第では今後の対応が変わるかもな……」
討伐隊たちはなんとも言えない顔をすると、ゾロゾロと観客席に戻っていった。
その頃、特別席ではザッハ伯爵の前で跪くユズリノをヒカルが心配そうに見守っていた。
(この人、さっき戦ってた人だよね。薔薇のトゲであちこちから血が出てるのに、こんな所連れてこられて……先に医務室で治療させてあげればいいのに!)
「──ではお前は、その《禁断の旋律》を教えてくれた者の顔を見ていないのだな?」
「はい……何者かはわかりません。ただリュートという楽器を持っていたことしか……」
それを聞いてヒカルはドキッとした。
リュートを持っている人物と聞いて、すぐにリュージンの顔が浮かんだ。しかもさっき呪いについて聞いたばかりだから、気になってしまう。
(リュージン……ユズリノさんに呪いを教えたのはリュージンじゃないよね? 呪いをする人があんな綺麗な音色を弾くはずがないし……それに呪うために楽器を利用するなんてって怒ってたし……)
