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ぼっち─選択はあなたに─

第19章 優勝者 VS クロード【選択5】

「おっさん、ちったぁ、落ち着きなはれ。てか、全然見えんし」

 レシピェールの後ろの席では、ゲンブがなんとか試合を見ようと顔を左右に動かしていた。その隣ではウラユ、サチが座っている。

「ねえねえ、私思ったんだけど(良かった~もう私の出番ないかと思った)」

「どうしたの、ウラユ(私もよ)」

「なんでメキユちゃんと討伐隊の人がバトルする必要があるの?」

「あら、ウラユ知らないの? この試合って、討伐隊のクロードがザッハ伯爵を挑発したからだそうよ」

「挑発?」

「あのイカれポンチを挑発するとは、クロちゃん……なかなかやりますな」

「バカ、そんなこと言ったら二度とこの町で芸ができなくなるわよ」

 サチにそう脅されてゲンブは口をチャックした。

「じゃあ……どっちかが負けたら、何か重い罰を受けることになるの?」

 ウラユの疑問に、サチは口を閉ざす。

「大丈夫、そんなことアタシがさせないわよ。メキユちゃんもクロードも、アタシが守ってみせるわ!」

 話を聞いていなさそうだったレシピェールが三人に振り返るなり、ビシッと言い放った。

「レシピェールさん……」

「あらん、ウラユ。そんなに見つめちゃって、もしかしてアタシに惚れちゃったかしら?」

「……鼻毛出てるよ」

「ええっ~~!! やっだ、もぅ!!」


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