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「シールドバッシュ！！」
「！？」

　それは一瞬の出来事だった。
　必殺技を繰り出したはずのメキユの攻撃を、とっさにクロードは自身の必殺技で防いだのだった。

　メキッ……！！

　鈍い音を立てて、メキユの体は高速で吹っ飛ばされる。

「メキユ……！！」
「メキユちゃん！！」

　メキユの体は吹っ飛びながら、地面をバウンドした。
　
「……くっ……」

　それでもまだ意識はあるようで、メキユは地面に這いつくばりながらも、立ち上がろうとした。
　しかし盾の体当たりの衝撃は凄まじく、ゴホッと血を吐いてしまう。

「メキユっ！！」

　もう見ていられないと、ユズリノは顔を背けた。

「あの子はもう、充分……充分戦ったわ……。だからもうっ……」

　しかしユズリノの思いとは裏腹に、ザッハ伯爵が言葉を言い放つ。

「こうもアッサリやられるとは、拍子抜けだな。やはり伝説の包丁がなければ、ただの子供か」

「！！」

　ユズリノはカッとなり、ザッハ伯爵に手を振り上げた。
　しかし黒フードの男たちに止められてしまう。

「その女は目障りだ。牢屋にぶちこんでおけ」

「！」

　ユズリノの抵抗もむなしく、両手首を拘束されてしまった。

「ユズリノさん！」
「……」

　ヒカルは叫ぶが、ユズリノの耳には届かなかった。