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ぼっち─選択はあなたに─

第23章 屋敷潜入

「あたしはエマよ。ねぇ、色々教えてあげるから、あたしの部屋に来ない?」

 エマはレシピェールの腕に絡み、自分の胸をグイグイ押し付けてくる。

(この娘……使えるわね)

「ええ、では色々教えていただきましょうか」

 レシピェールはニヤリと笑うと、エマの腰を引き寄せた。そしてエマの部屋に入るなり、エマを壁際へ追いつめ、顎を持ち上げた。

「あなたのような可愛いらしい女性に出会えて、私はなんてラッキーなんでしょう」

 歯が浮くような台詞を言いながら、レシピェールはエマの胸元のボタンを外し始める。

「あんっ……レシピェールったら、見かけによらず大胆なのね」

 慣れた手つきでエマの服を脱がすと、首からエメラルドのペンダントがぶら下がっているのを見つけた。

「おや、これは?」
「これは……ヒカルから貰ったの」
「ヒカル?」
「最近ここに来たメイドよ」

 レシピェールはもっと情報を得るため、エマの耳に息を吹きかける。

「ひゃんっ」
「ヒカルは今どこに?」
「エルザ様のっ……部屋にいるわ」
「エルザ様?」
「ザッハ伯爵様の奥様よ」
「!」

 まさかザッハ伯爵に奥方がいたとは。それなのに屋敷に仕えるメイドにまで手を出すとは──。


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