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「ねえ、そんなことより早く──」
「情報、感謝するわね」
「え？」
「あらやだ、つい女言葉が」

　レシピェールがペロッと舌を出すと、エマはレシピェールから急いで離れた。

「なんなの、あんた！ 誰なの！？」
「とりあえずこれは返してもらうわね」
「あっ？ いつのまにっ……」

　レシピェールの手には、エメラルドのペンダントが握られている。

「返しなさいよ！ それはあたしのっ……」
「このペンダントはあなたには似合わないわ。悔しかったら、もっと女を磨くことね」

　そう言い放つと、レシピェールはエマの部屋から出て行った。

「なんなの、あのオカマっ……絶対に許さない！！」

　プライドを傷つけられたエマは怒り心頭のまま、部屋から飛び出そうとした。しかしストンとスカートが床に落ちてしまう。

「なによこれ、いつのまにっ……！」

　エマのメイド服からは全てのボタンやホックが取れてしまっていた。これでは部屋から出るわけにはいかない。

「誰か来て！ レシピェールは侵入者よ！ 誰かっ……オルバ様！！」

　エマが大声で叫ぶと、オルバが険しい顔をして部屋に入ってきた。

「なんです、騒々しい。またあなたですか、エマ」
「オルバ様、大変です！ レシピェールは侵入者です！ 今すぐ捕まえないと……！」