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ぼっち─選択はあなたに─

第23章 屋敷潜入

 レシピェールはオルバの案内のもと、地下室に連れて行かれた。

「地下室なんてあったんですね……」

 自分が前の領主に仕えていたときは地下室なんてなかった。階段を降りた先の鉄の扉を開けると、モワァッと中から腐った臭いがした。

「うっ……」

 レシピェールは口を押さえて顔をしかめる。

(こんな場所で食事の用意をするの……?)

 部屋の中はけっこう広かった。
 しかしよく見ると床や壁に茶色いものがこびりついている。しかもいくつかの木箱が無造作に置かれており、匂いはそこからきているようだった。

 レシピェールはオルバを見るが、オルバの鼻は慣れてしまったのか平然としていた。

「マーサ、シーナ、あれを」

 オルバは二人のメイドに指示を出す。
 するとメイドのマーサとシーナは斧を持って、部屋の中へと入ってきた。

「さあ、思いきりやっておしまいなさい」

 オルバがそう言うと、鉄の扉は閉められた。

「え、どういうこと?」

 マーサとシーナの目は据わっている。
 斧を握りしめると、レシピェールに向かって振り回してきた。

 両サイドからブンッと風を切る音がし、レシピェールは間一髪それを避ける。

「待って、手伝いって……!?」

 オルバはニヤリと笑った。

「今日のエルザ様の食事はレシピェール、あなたの血と肉ですよ」



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