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ぼっち─選択はあなたに─

第23章 屋敷潜入

(このエメラルドのペンダントがアタシたちを守ってくれたの……?)

 確かそのようなことをユズリノも言っていた。
 それならば一刻も早く持ち主のヒカルに渡さなければと、レシピェールはペンダントを首から下げた。

「オルバ様!?」

 マーサの声で我に返ると、オルバが脇腹から血を流して倒れているのが見えた。

「どいて、止血するわ」

 レシピェールは燕尾服を脱ぐと、中に着ていたシャツを破き、オルバの脇腹に巻き付けてきつく縛った。更にその上から燕尾服で押さえつける。

 マーサは上半身裸になったレシピェールの筋肉質な体を見て、頬を赤らめた。

「あんたのエプロン借りていいかしら」

 レシピェールはマーサからエプロンを借りる。

「うん、この方がしっくりくるわね。アタシのピンクのフリルのエプロンよりは地味だけど」

 上半身裸にエプロンという姿を見て、マーサは残念な気持ちになった。

「オルバ、死ぬんじゃないわよ」
「……っ……」

 オルバは苦痛で顔を歪める。

「……どうして……助けたの……」
「アタシが屋敷をぶっ潰すって言った時、あんた真っ先にメイドたちの心配をしたでしょ。それを聞いて、まだやり直せるって思ったの」
「……私はそんな慈悲深い人間じゃないわ……」
「仕える相手を間違えたのよ。ザッハは悪魔のような男よ。だからオルバたちはここを出るべきよ」
「……だめよ……私がここにいないと……あの方が……エルザ様がっ……」


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