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「こうして面と向かって話すのは、中華料理屋以来ね」

　するとユッキーメは俯いたかと思うと、肩を小刻みに震わせた。

「ユッキーメさん？」

　急にどうしたのだろうと様子を見てると、

「ごめんね、ヒカルぅぅぅぅぅ！」

　ユッキーメが突然抱きしめてきた。

「えっ？ ど、どうし……」
「ヒカルをすぐに助けられなくて本当にごめんなさいっ！」
「え？ どういう……」
「司会しながら、ヒカルがザッハのそばで嫌な思いしてるのずっと見てたの！ でもザッハを監視するには今は動くべきじゃないって思って……」
「！」
「それにザッハの屋敷に連れていかれた時も、エルザの悪行の尻尾を掴むまではヒカルと接触するわけにはいかなかった……というか、エルザは必ずヒカルに食いつくだろうなって思ったわ」
「……」
「あなたを利用してごめんなさい」

　ユッキーメはヒカルから離れると、深く頭を下げた。

「え……ユッキーメさん、ザッハの屋敷にいたんですか？」
「ええ、ザッハが人身売買をしてるという情報を耳にして真実を確かめるために、メイドとしてザッハの屋敷に潜入したの」
「そう……だったんですか……」
「あなたがオルバにきつく当たられたり、メイドたちから笑われたりしてるのを、あたしは影から見てるだけしかできなかった」
「……っ……」