
ぼっち─選択はあなたに─
第24章 モンブラン城の秘密
ヒカルはまたあの時の絶望感を思い出し、胸が苦しくなった。
ユッキーメのことは仕方がないことだ。あの事件で結果的にザッハの悪行はバレて、自分も屋敷から出ることができたのだから。
でも頭ではわかっていても、気持ちが追い付いていかない。もし味方が一人でもいるとわかっていれば……。
「大丈夫か」
横からクロードが優しく声をかけてくれる。
クロードの目線に合わせると、クロードも思い詰めるような表情をしていた。
「……っ……」
そういえばさっきバットが言っていた。
クロードが落ち込んでいた、と。ヒカルもナツミも、自分の手で助けたかった──と。
(何も言わないけど、クロードは私に負い目を感じてるんだ。自分のせいで私につらい思いをさせてしまったって……)
「……ったく、それは言っても仕方ないことだろ、ユッキーメ」
リュージンがユッキーメに対して呆れ顔をする。
「リュージン王子……だってあたしイジメとか超許せないの! ザッハなんて本当はケチョンケチョンのボッコボコにしたかったんだからね! タイラー王子の命令じゃなかったら、とっくにヒカルを助けてたわ!」
「タイラー王子ってラザニーア王国の第一王子だろ? 命令って……ユッキーメって一体何者なんだ?」
バットが二人の会話に驚いて質問する。
ユッキーメのことは仕方がないことだ。あの事件で結果的にザッハの悪行はバレて、自分も屋敷から出ることができたのだから。
でも頭ではわかっていても、気持ちが追い付いていかない。もし味方が一人でもいるとわかっていれば……。
「大丈夫か」
横からクロードが優しく声をかけてくれる。
クロードの目線に合わせると、クロードも思い詰めるような表情をしていた。
「……っ……」
そういえばさっきバットが言っていた。
クロードが落ち込んでいた、と。ヒカルもナツミも、自分の手で助けたかった──と。
(何も言わないけど、クロードは私に負い目を感じてるんだ。自分のせいで私につらい思いをさせてしまったって……)
「……ったく、それは言っても仕方ないことだろ、ユッキーメ」
リュージンがユッキーメに対して呆れ顔をする。
「リュージン王子……だってあたしイジメとか超許せないの! ザッハなんて本当はケチョンケチョンのボッコボコにしたかったんだからね! タイラー王子の命令じゃなかったら、とっくにヒカルを助けてたわ!」
「タイラー王子ってラザニーア王国の第一王子だろ? 命令って……ユッキーメって一体何者なんだ?」
バットが二人の会話に驚いて質問する。
