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「そんな伝説、聞いたこともねぇよっ……」

　バットとクロードは困惑しながらも、ヒカルの方をつい見てしまう。確かに自分たちとは違う身なりをしているが、どう見ても普通の女の子にしか見えない。

　しかしヒカルと最初に出会ったのは、モンブラン城の崖の下だった。あそこはシャドーが沢山いて、この辺りの人間はよほどのことがない限り近づいたりしない。もし異世界から来たのなら、ヒカルがなぜあの場所にいたのか説明がつく。

「そんな……私が神の子だなんてっ……私にはそんな力っ……」

　異世界から来たのは認める。でも神の子だなんて信じられない。もし神の子なら、どうして魔女から呪いをかけられるのか。

　しかしヒカルは、リュージンからもらったエメラルドの石の力で何度か不思議な力を発揮していたことを思い出す。

「石化を解いたり、体力を回復させたりしたのは、この石の力じゃないの……？」
「それは君の力が、石に宿っているからなんだ」

　リュージンはそう言うと、ヒカルに微笑みかけた。

「ヒカルと噴水の広場で出会った時に言ったよね、エメラルドの石が本当の持ち主を探してるような気がするって」

　ヒカルは頷く。

「実はそのエメラルドのペンダントは、モンブラン城の宝物庫にあったものなんだ」
「えっ……」

　それを聞いてバットもクロードも驚く。