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ぼっち─選択はあなたに─

第24章 モンブラン城の秘密

「もちろん、見つけたのは数年前にだよ」
「ああ、そうだった。前は普通に城に出入りできたんだよな。ま、一般人は宝物庫には入れねぇけど」

 シャドーが現れる半年前はモンブラン城は機能していた。ソルトの町とも交流があり、沢山の人々がモンブラン城に出入りしていた。

「本当は宝物庫には、オレでさえも入ることは禁止されていたんだけどね」

 リュージンは人差し指を口に当てる。

「その伝説が書かれた文献を読んでいたら気になったんだ、神の子らは各国に散らばって現れ、モンブラン城に集結する。そして神の石に再び力を注ぎ、人々を助ける。しかしその災いから人々を救うのか、滅ぼすのかは神の子次第である──と」
「!?」
「えっ……神の子次第なのか?」
「そこ、気になるよね。だから色々調べるために、宝物庫に入ったんだ。……いや、導かれたのかな。普段は兵士が厳重な見張りをしているはずなのに、いなかった。そして鍵も開いていた。中に入ると、女神の像があった。女神の像の胸元にはエメラルドのペンダントがあって、それが神の石だとすぐにわかったよ」
「……。もしかして女神の指にはルビーの指輪がはめられてなかったか?」

 少し考えたあと、クロードが問いかける。

「ああ、あったよ。クロードが今はめているルビーの指輪がね」
「!」
「マジかよ! じゃあ、その指輪をしていたナツミも神の子……!?」


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