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ぼっち─選択はあなたに─

第25章 居場所【選択7】

 ナツミを見て、とても笑顔が素敵な女性だとリュージンは思った。しかも表情豊かで、初対面の相手にも動じない。

「ちょうどさっきまで君の話をしていたんだ。戻ってきて早々で悪いが、何があったのか話を聞かせてくれないか」
「大丈夫です、そのつもりでここにきました」

 さっきまでヒカルが座っていた場所にナツミが座る。するとテーブルの上にある飲みかけのカップに気づいた。

「もう一人どなたかいらっしゃったんですか?」
「うん、君と同じ異世界から来た少女がね」
「!」
「まずは半年前、なにがあったのか話してもらおうかな」

 ナツミは頷くと、半年前モンブラン城で何が起きたのかを話し始めた。その間、戻ってきたユッキーメが新しい紅茶を入れ直す。

「ありがとうございます。ベルガモットの香り、落ち着きますね」
「あら、紅茶好きなのね」
「はいっ」

 ナツミの笑顔を見て、ユッキーメも微笑む。

「ナツミ、お腹すいてないか?」

 クロードが声をかける。

「ありがとう、クロード、大丈夫よ。実は真っ先にレイナの宿屋に寄ったの。そしたらテーブル一杯に沢山の御馳走があって、いっぱい食べちゃった!」
「レイナ、驚いてただろ」

 バットも横から話しかける。

「うん、すっごく。何度も本物?って疑われちゃった」

 真面目に話をしていたかと思えば、クルクルと表情を変える。ナツミが話すと、それだけで場が明るくなった。


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