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「モンブラン城に住む！？ まさかザッハと手を組んだのか？」
「よくわからないけど、彼女は一人だったわ。他に行くあてもないから、モンブラン城を住処にするんだって」
「確かバーム教団も、マナミという少女を連れてモンブラン城に向かっているんだったな」

　クロードがヤクモが言っていたことを思い出す。

「マナミ？ その子も異世界から来たの？」
「おそらく」
「やっぱり私たちって、神の子なのかな」
「知ってるのか？」

　クロードたちは驚く。

「モンブラン城の図書室にある本を読んだの。この世界に災いが起きるとき、異世界から四人の神の子が現れる。神の子らは各国に散らばって現れ、モンブラン城に集結する。そして神の石に再び力を注ぎ、人々を助ける。しかしその災いから人々を救うのか、滅ぼすのかは神の子次第であるって書いてあったわ」
「オレが読んだ文献と同じだな」

　リュージンが答える。

「私この世界に来た時、モンブラン城に行かなきゃって思ったの。きっとルカもそう思ってモンブラン城に来たんだと思う。でも私追い出されちゃった……。彼女、人と関わるのが嫌みたいで。だからきっと誰か来ても追い返されると思う」

　そこまで言うと、ナツミは落ち着くために紅茶を一口飲んだ。

「リュージン王子、王様と王妃様なんですが……」

　ナツミはリュージンの顔を見るなり、歯切れの悪い言い方で話を切り出した。