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ぼっち─選択はあなたに─

第25章 居場所【選択7】

「さすがは一国を背負う王子だな」

 バットの言葉に、クロードとナツミは頷いた。

「やることは沢山ある。とりあえずオレは明日王都に戻るよ。ユッキーメは衛兵たちに、馬車で王都に向かっている者たちを追うようにと伝えてくれ。皆の体が心配だ」
「了解しました」

 ユッキーメは一礼すると、すぐに部屋から出て行った。

「クロードとバットは引き続き、町の見回りとシャドー討伐を頼む。さっき話したシャドー討伐用特殊武器の扱い方に関してはユッキーメから聞いてくれ」

 クロードとバットは頷いた。
 シャドー討伐用特殊武器とは、ユッキーメが研究して作った武器のことだ。

「ナツミはしばらく体を休ませるといい」
「そうですね……しばらくはモンブラン城に入れなさそうだし、レイナの宿屋でゆっくりします」

 ナツミはにっこり微笑んだ。

「ナツミ」
「どうしたの、クロード」

 クロードは自分の指からルビーの指輪を外すと、ナツミに手渡した。

「この指輪のおかげで色々助かった。今はもう、指輪の力の効力がなくなってしまったが……」
「クロードが持っててくれたのね! 嬉しいっ! ギルバートさんに託して良かったわっ」

 いい感じになる二人を横目に、リュージンは立ち上がった。

「今までの話、ヒカルにはオレから話しておくよ」
「ヒカル? そういえば異世界から来た女の子がいるんですよね、会いたいな!」


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