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ぼっち─選択はあなたに─

第25章 居場所【選択7】

「う、ううんっ……」

 抱きしめられたのはびっくりしたけど、まさかリュージンがそんな風に自分を思ってくれてたなんて……素直に嬉しい。

「慰めてくれてありがとう、リュージン」

 ヒカルがニコッと微笑むと、リュージンは安堵の息を漏らした。

「気分転換だと思って気軽に考えておいて。明日の朝、ここで待ってるから」
「……」

 しかしヒカルは頷くことが出来なかった。
 なぜなら自分で行動を決められないから。
 頷けないのは、呪いが発動されているから。

 ヒカルは討伐隊本部から出て、レイナの宿屋へと戻った。

「ヒカル~! やっと戻ってきた! もう、どこに行ってたのよ~!」
「ごめん、レイナ。ちょっと討伐隊本部に行ってきたの」
「討伐隊本部に? じゃあナツミとも、もう会ったのかしら?」
「!」

 そういえば、ナツミとはまだ会っていない。
 討伐隊本部にもナツミらしき者の姿は見なかった。

「ナツミちゃんなら、さっきクロードと一緒に歩いてたぜ」

 たまたま通りかかったお節介な住民が教えてくれる。

「な、なんですって?」
「二人とも嬉しそうな顔してよぉ、腕なんか組んじまって。ありゃ付き合ってんな。いやぁ、若いっていいねぇ~」

 こっちの気も知らないで、ガハハと笑って住民は去っていく。

「クロード、やっぱりナツミのこと……」

 そこまで言いかけて、レイナは微妙な顔をした。そういえばレイナもクロードに片想いしていたことをヒカルは思い出した。


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