
ぼっち─選択はあなたに─
第25章 居場所【選択7】
「ねぇ、ヒカル。二人でちょっと話さない?」
ナツミが笑顔で誘ってきた。
「神の子同士で話がしたいの」
「……」
周りには話せない、神の子同士の特別な話。ヒカルにはそれを拒否することはできないし、そして周りも詮索することはできない。
しかし、外に行くのなら話は別だ。
宿屋から出ようとしたナツミをクロードが引き止める。
「大丈夫よ、クロード。私は神の子だもの」
ナツミの言葉は、周りを納得させるくらいの強い力があった。
「わかった、あまり遠くには行くなよ」
「うん」
(自分は神の子だから大丈夫だなんて、ほんとすごいな……ナツミさんは)
ヒカルの中の劣等感がどんどん強くなっていく。
「ねぇ、その制服、聖女学園のかな? 似てるけどちょっと違うよね」
「あっ……私の本当の制服は奪われてしまって、似たようなのを仕立て屋さんで作ってもらったんです」
「奪われた? 何のために?」
ヒカルはザッハの屋敷で起こったことを詳しく話した。
「そんなことが……。じゃあザッハはまた神の石を狙いに、ここに来るかもしれないってことね」
ヒカルは頷く。
「それにモンブラン城に住むために、沢山の人たちに呪いをかけるなんて……愚かな人間よね。ここだけの話、もしクロードと会わなかったら、即刻この世界を滅ぼしていたわ」
意外にも過激なことを言うナツミに、ヒカルはゴクリと息を飲んだ。
ナツミが笑顔で誘ってきた。
「神の子同士で話がしたいの」
「……」
周りには話せない、神の子同士の特別な話。ヒカルにはそれを拒否することはできないし、そして周りも詮索することはできない。
しかし、外に行くのなら話は別だ。
宿屋から出ようとしたナツミをクロードが引き止める。
「大丈夫よ、クロード。私は神の子だもの」
ナツミの言葉は、周りを納得させるくらいの強い力があった。
「わかった、あまり遠くには行くなよ」
「うん」
(自分は神の子だから大丈夫だなんて、ほんとすごいな……ナツミさんは)
ヒカルの中の劣等感がどんどん強くなっていく。
「ねぇ、その制服、聖女学園のかな? 似てるけどちょっと違うよね」
「あっ……私の本当の制服は奪われてしまって、似たようなのを仕立て屋さんで作ってもらったんです」
「奪われた? 何のために?」
ヒカルはザッハの屋敷で起こったことを詳しく話した。
「そんなことが……。じゃあザッハはまた神の石を狙いに、ここに来るかもしれないってことね」
ヒカルは頷く。
「それにモンブラン城に住むために、沢山の人たちに呪いをかけるなんて……愚かな人間よね。ここだけの話、もしクロードと会わなかったら、即刻この世界を滅ぼしていたわ」
意外にも過激なことを言うナツミに、ヒカルはゴクリと息を飲んだ。
