
ぼっち─選択はあなたに─
第26章 黒い犬【選択8】
「やっぱり訳ありでしたね」
「ですね……」
とりあえずは依頼のお弁当を渡すことはできたけれど、後味が悪い。
「じゃあ次は……」
「あれ? ヒカル?」
討伐隊本部の建物から出ていこうとすると、すれ違い様に女性から声をかけられた。
「ナツミさん?」
ナツミは中華料理屋のチャイナ服を着ていた。
しかも髪を二つお団子のように結んでいたので、ナツミだと一瞬気づかなかった。
「こんなところで何してるの?」
「あ……お弁当を届けに……」
「えっ、ヒカルもクロードにお弁当を渡しにきたの!?」
「えっ?」
「嘘っ……私頑張って作ってきたのに、まさかヒカルに先越されちゃうなんて!」
「えっ!? ち、違うよ! お弁当はロイドさんに……」
「ロイドさん? な~んだ、クロードじゃなかったのねっ!」
「今修道院のお使いで……」
「勘違いしちゃってごめんね! じゃあまたあとでね~!」
ナツミは嬉しそうに建物の中に入っていった。
「人の話を聞かない人ですね」
「あはは……」
「ヒカルさんはクロードさんにお弁当を渡さなくていいんですか?」
「えっ!? どうしてっ……」
「あのナツミという女性に遠慮しているんですか?」
「!」
ミーナはクスッと笑った。
「あなたはわかりやすい人ですね」
「……っ……」
そんなに顔に出ていたかなと、ヒカルは自分の表情が気になった。
「ですね……」
とりあえずは依頼のお弁当を渡すことはできたけれど、後味が悪い。
「じゃあ次は……」
「あれ? ヒカル?」
討伐隊本部の建物から出ていこうとすると、すれ違い様に女性から声をかけられた。
「ナツミさん?」
ナツミは中華料理屋のチャイナ服を着ていた。
しかも髪を二つお団子のように結んでいたので、ナツミだと一瞬気づかなかった。
「こんなところで何してるの?」
「あ……お弁当を届けに……」
「えっ、ヒカルもクロードにお弁当を渡しにきたの!?」
「えっ?」
「嘘っ……私頑張って作ってきたのに、まさかヒカルに先越されちゃうなんて!」
「えっ!? ち、違うよ! お弁当はロイドさんに……」
「ロイドさん? な~んだ、クロードじゃなかったのねっ!」
「今修道院のお使いで……」
「勘違いしちゃってごめんね! じゃあまたあとでね~!」
ナツミは嬉しそうに建物の中に入っていった。
「人の話を聞かない人ですね」
「あはは……」
「ヒカルさんはクロードさんにお弁当を渡さなくていいんですか?」
「えっ!? どうしてっ……」
「あのナツミという女性に遠慮しているんですか?」
「!」
ミーナはクスッと笑った。
「あなたはわかりやすい人ですね」
「……っ……」
そんなに顔に出ていたかなと、ヒカルは自分の表情が気になった。
