
ぼっち─選択はあなたに─
第26章 黒い犬【選択8】
その後ヒカルたちはメモに書かれてある薬を買うと、寝たきりのご老人に無事に届けることができた。
「じゃああとは、お弁当を届けたことをアクアさんに伝えて修道院に戻るだけですね」
ヒカルは歩きながら、ロイドのことを思い出した。
(アクアさんに何て言えばいいんだろう……)
プジョーは「ありがとう」と伝えてほしいとは言っていたが、ロイドは迷惑がっていた。もしまたお弁当を届けられるようなことがあれば、ロイドからしたらそれは迷惑でしかない。
しかし迷惑がっていたとはっきり伝えれば、アクアが傷ついてしまう。
(真実を伝えるべきか、否か……)
「余計なことは考えなくていいんじゃないですか」
「ミーナさん……」
「私たちの仕事は、お弁当を届けることだったんですから」
「そうですけど……」
確かにいちいち他人の事情に深入りしていたら身が持たない。スムーズに仕事を進めるためにも、割り切りが必要だ。
「ではヒカルさん、お願いしますね」
「えっ……私が言うんですか?」
「はい。ご報告お願いします」
にっこり微笑むミーナには逆らえず、ヒカルはアクアの家の扉をノックした。
「――あっ、彼にお弁当を届けてくれた?」
「はい、届けましたっ……」
ヒカルはやや緊張しながら返事をする。
アクアはヒカルとミーナの手元にお弁当がないのを確認すると、ホッと息を吐いた。
「じゃああとは、お弁当を届けたことをアクアさんに伝えて修道院に戻るだけですね」
ヒカルは歩きながら、ロイドのことを思い出した。
(アクアさんに何て言えばいいんだろう……)
プジョーは「ありがとう」と伝えてほしいとは言っていたが、ロイドは迷惑がっていた。もしまたお弁当を届けられるようなことがあれば、ロイドからしたらそれは迷惑でしかない。
しかし迷惑がっていたとはっきり伝えれば、アクアが傷ついてしまう。
(真実を伝えるべきか、否か……)
「余計なことは考えなくていいんじゃないですか」
「ミーナさん……」
「私たちの仕事は、お弁当を届けることだったんですから」
「そうですけど……」
確かにいちいち他人の事情に深入りしていたら身が持たない。スムーズに仕事を進めるためにも、割り切りが必要だ。
「ではヒカルさん、お願いしますね」
「えっ……私が言うんですか?」
「はい。ご報告お願いします」
にっこり微笑むミーナには逆らえず、ヒカルはアクアの家の扉をノックした。
「――あっ、彼にお弁当を届けてくれた?」
「はい、届けましたっ……」
ヒカルはやや緊張しながら返事をする。
アクアはヒカルとミーナの手元にお弁当がないのを確認すると、ホッと息を吐いた。
