
ぼっち─選択はあなたに─
第26章 黒い犬【選択8】
「相手の心に寄り添う……」
「そうね、まずは相手の話をじっくり聞いてあげることから始めたらいいんじゃないかしら」
ユズリノは切なく微笑む。
「……やっぱり一人は辛いだろうから」
一人は辛い。
その気持ちは痛いほどよくわかる。
誰か話を聞いてくれる人がいたら、少しは気持ちが落ち着くかもしれない。
「わかりました、明日またアクアさんに会いに行ってみます」
「ええ、きっと彼女も喜ぶわ」
ヒカルはユズリノと別れ、修道院を出た。そして今日初めて稼いだお金、200ベルト(※200円)を手のひらに乗せて見つめた。
(一食分くらいの足しにはなるかな……)
できれば沢山稼いで今までお世話になった分を返したいところだが、現実は厳しい。
(よし、明日はもっと沢山受けてみよう)
そう決心するヒカルのもとに、一人の少年が近づいてきた。
「お姉さん、ちょっといいかな?」
「ん?」
「この辺で大きな白い犬、見なかったかな?」
「白い犬? 見てないなぁ」
「そっかー」
少年はあからさまに肩を落とすと、困った顔をした。
「どうしたの?」
「シロがいなくなっちゃったんだ……」
シロとは白い犬のことだろう。
「夜はシャドーがいるから家の中に入れてたのに、朝になったら居なくなってて……だから朝からずっと探してるんだけど、全然見つからなくて……」
「そうね、まずは相手の話をじっくり聞いてあげることから始めたらいいんじゃないかしら」
ユズリノは切なく微笑む。
「……やっぱり一人は辛いだろうから」
一人は辛い。
その気持ちは痛いほどよくわかる。
誰か話を聞いてくれる人がいたら、少しは気持ちが落ち着くかもしれない。
「わかりました、明日またアクアさんに会いに行ってみます」
「ええ、きっと彼女も喜ぶわ」
ヒカルはユズリノと別れ、修道院を出た。そして今日初めて稼いだお金、200ベルト(※200円)を手のひらに乗せて見つめた。
(一食分くらいの足しにはなるかな……)
できれば沢山稼いで今までお世話になった分を返したいところだが、現実は厳しい。
(よし、明日はもっと沢山受けてみよう)
そう決心するヒカルのもとに、一人の少年が近づいてきた。
「お姉さん、ちょっといいかな?」
「ん?」
「この辺で大きな白い犬、見なかったかな?」
「白い犬? 見てないなぁ」
「そっかー」
少年はあからさまに肩を落とすと、困った顔をした。
「どうしたの?」
「シロがいなくなっちゃったんだ……」
シロとは白い犬のことだろう。
「夜はシャドーがいるから家の中に入れてたのに、朝になったら居なくなってて……だから朝からずっと探してるんだけど、全然見つからなくて……」
