
ぼっち─選択はあなたに─
第27章 西の森【選択9】
「そこまでの力があるのなら、もしかするとヒカル様なら、シャドー化した人間を元に戻せるかもしれませんね」
「えっ……」
「そうしたらきっとあなたは、ソルトの町の救世主として迎えられるでしょう」
「……っ……」
ヒカルは微妙な顔をした。
確かに今のままでは誤解を解くのは難しい。
でもそれを証明しなければ信じてもらえないなんて……。
「人間は愚かで残酷で、身勝手な生き物です」
「!」
「それでもあなたは、彼らを助けますか?」
「……っ……」
ヒカルは考えこむ。
助けられるのなら助けたい。
でも魔女だと決めつけて罵倒したにも関わらず、神の子だとわかった途端、救世主扱いしてくる人間を果たして受け入れられるのか──。
「殿下は、傷ついた私を助けてくださいました」
「えっ?」
「私がグラドリア王国からのスパイだと知っていたのにも関わらずです」
「!?」
(ヤクモさんが……グラドリア王国のスパイ!?)
「スパイだと思い出したのは最近です。それまで私は自分が何者なのかわかりませんでした」
「……」
「私は黒魔術の実験によって、こんな身体になってしまったのです」
「!!」
黒魔術と言えば、バーム教団だ。
まさかそんな恐ろしい実験をしていたなんて、非人道的すぎる。
「えっ……」
「そうしたらきっとあなたは、ソルトの町の救世主として迎えられるでしょう」
「……っ……」
ヒカルは微妙な顔をした。
確かに今のままでは誤解を解くのは難しい。
でもそれを証明しなければ信じてもらえないなんて……。
「人間は愚かで残酷で、身勝手な生き物です」
「!」
「それでもあなたは、彼らを助けますか?」
「……っ……」
ヒカルは考えこむ。
助けられるのなら助けたい。
でも魔女だと決めつけて罵倒したにも関わらず、神の子だとわかった途端、救世主扱いしてくる人間を果たして受け入れられるのか──。
「殿下は、傷ついた私を助けてくださいました」
「えっ?」
「私がグラドリア王国からのスパイだと知っていたのにも関わらずです」
「!?」
(ヤクモさんが……グラドリア王国のスパイ!?)
「スパイだと思い出したのは最近です。それまで私は自分が何者なのかわかりませんでした」
「……」
「私は黒魔術の実験によって、こんな身体になってしまったのです」
「!!」
黒魔術と言えば、バーム教団だ。
まさかそんな恐ろしい実験をしていたなんて、非人道的すぎる。
