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　小屋の扉はゆっくりと開かれた。

「……アクアさん！？」

　なんとそこに立っていたのはアクアだった。
　アクアもヒカルを見て驚く。

「ヒカルさん、どうしてここにっ……」

　アクアはヒカルの隣に立っている全身黒づくめのヤクモを見てたじろいだ。

「ここへは何しに来たのですか？」

　ヒカルが答えるよりも先にヤクモが問いかける。

「……私はミーナさんに会うために、ここに来たんです……」
「ミーナさんと！？」
「さっき、ミーナさんから本を渡された時、メモが挟んであって……」

　アクアはスカートのポケットから小さなメモを取り出すと、ヒカルに手渡した。
　そこには『ロイドさんについてお話があります。とても大事なことです。ロイドさんと再び幸せになりたいのなら、西の森の小屋まで来てください。ミーナ』と書かれていた。

「どうしてミーナさんがアクアさんをっ……」

　わざわざここに呼び出す意味がわからない。

「……どうして西の森に？って思ったんだけど、ロイドについて何か知ってるみたいだし、少しでも望みがあるならって思って……」

　きっとアクアは藁をもすがる思いでここまで来たのだろう。盗賊や野犬に会わなかったのが幸いだ。
　しかしヤクモからミーナの正体を聞いてからは、ヒカルは嫌な予感しかしなかった。