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ぼっち─選択はあなたに─

第27章 西の森【選択9】

 その時だった。
 白い犬が突如現れ、マナミの右腕に噛みついた。

「ガルルル!」
「きゃあっ!……なんなの、この犬は!」

 白い犬はマナミの右腕に噛みついたまま離れない。

「マナミ様!」
「何してるの、ガトー! 早くこの犬をどうにかして!」

 ガトーはリュートを使って白い犬を追い払おうとするが、なかなかうまくいかない。

「仕方ない、こうなったら──」

 ガトーはリュートを持ち変え、弦を弾こうとした。

「そうはさせるかよ!」

 その時、一本の鋭い矢がガトーの手の甲に突き刺さった。

「ぎゃあああっ!」

 ガトーは醜い叫び声を上げ、同時にリュートを手放してしまう。
 その間にもマナミは白い犬と格闘していた。

「このっ、犬ごときがっ……」

 マナミが力を放とうとした瞬間、

「動けば殺すぞ」

 いつの間にそこにいたのか、長身で赤髪の男が背後からマナミの首にナイフを突き立てていた。

「!」
「俺らの縄張りで好き勝手やってんじゃねぇ、今すぐ立ち去れ」
「……っ……」

 赤髪の男は本気だった。
 ナイフの刃がマナミの首に食い込むと、うっすらと赤い血が流れた。

「……わかりましたよ」

 マナミが渋々答えると、赤髪の男はマナミから離れた。
 気づけばマナミたちは沢山の男たちに囲まれていた。彼らは一体何者なのだろう──?


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