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ぼっち─選択はあなたに─

第27章 西の森【選択9】

 赤髪の男含め、男たちはみすぼらしい身なりをしていた。しかし手には弓や剣などの武器を持っている。

「まさか、こやつら盗賊団っ……」

 厄介な奴らが来たとガトーは舌打ちした。

「マナミ様、ここは一旦引きましょう」
「……」

 ガトーとマナミは大人しく、男たちの合間を縫って立ち去ろうとした。

「待て」

 しかし、赤髪の男が呼び止める。

「ついでに金目の物を出してもらおうか」
「……そんなものはないですよ」
「あるじゃねぇか。あんたの右手の腕輪に、光るダイヤモンドがよ」

 それを聞いてヒカルはハッとする。
 マナミが持つ神の石はなんだろうとずっと考えていた。よく見ればマナミの右手首には腕輪があり、そこには光り輝くダイヤモンドの石が埋め込まれていた。

 マナミはフッと笑うと、右手を男たちに向けた。しかし身構えた男たちの前で、マナミとガトーは黒い霧に包まれて消えていった。

「消えやがった」
「魔術師とか気味がわりぃぜ」

 男たちはゾロゾロとこっちに歩いてきた。

「兄貴、こいつらどうします? 」

 ひとりの男がヒカルたちを指差す。
 ヒカルは身構えた。てっきり自分たちを助けてくれたのかと思ったが、どうやら違うらしい。

「へぇ、お前も大層なもの、持ってんじゃねぇか」

 赤髪の男が早速、ヒカルのエメラルドのペンダントに目を付けた。


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