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ぼっち─選択はあなたに─

第11章 バトルトーナメント当日

「じゃあまずは腹ごしらえだよね! なに食べる~? 今日は私の奢りだよ!」
「え、待って。ヒカル、お金持ってないわよね?」
「はっはっは~」

 わざとらしく笑うと、ヒカルは制服のポケットから銀色のコインを5枚取り出した。

「じゃーん! ここに500ベルトありま~す!」
「まさかヒカル、うちの店のお金を盗っ……」
「ちがーう! 昨日ね、ギルバートさんからもらったの!」
「ギルバートさんから?」

 ギルバートさんとは昨日話していた老人のことだ。『これで美味しいものを食べて元気出しなさい』と好意で貰ったのだった。

「バカね。私に奢ったらすぐなくなっちゃうじゃない」
「いいの、レイナには色々お世話になってるし」
「あら、意外と律儀なのね。そうね、じゃあ~」

 レイナは意地悪して、ちょっと高そうなレストランのメニューを指差す。

「いち、じゅう、ひゃく、せん……って、こんな高いの無理だし~!」
「あはっ、冗談よ!」

 レイナが屈託なく笑う。
 意地悪されて頬を膨らませてるヒカルだったが、レイナの笑顔を見てホッとした。

「じゃあクレープ食べましょ! 私のおすすめはチーズミートよっ」

 ヒカルは店員に200ベルト払い、クレープを二つ受け取った。

「あ、おいひい」
「でしょ? 私のお気に入りなの」

 二人は食べ歩きながら、いくつかの店を回った。

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