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ぼっち─選択はあなたに─

第11章 バトルトーナメント当日

「あははっ、なにあれ! シャドーネタとかウケる!」

 ヒカルが大爆笑していると、レイナが「そうかしら? あれくらいなら私の方がもっと笑わせられるわよ」なんて大口叩くもんだから、隣にいたショートカットの女性に笑顔で肩を叩かれた。

「私はゲンブ&ウラユのマネージャーのサチよ。そこまで言うなら、あなたたちのお笑い、一度見せてもらおうじゃない」
「わかったわ、受けてたつわよ!」
「え、私も!?」

 なんだか妙なやる気を出してしまったレイナと一緒に、ヒカルはステージに上がって漫才をすることになってしまった。

ゲンブ「わわっ、なんや、きみら」
ウラユ「おお!? 挑戦者ですかぁ!」

「どうも~、レイナで~すっ」
「ヒ、ヒカルで~す」
「シャドーってほんと怖いわよね、私たち襲われたしね!」
「うんうん」
「シャドーって捕食した者の声真似をするじゃない? でもその時は捕食されてない者の声真似をしてきたの。だから私クロードだと思って近づいちゃって……」
「うんうん」
「とても怖かったわ。死ぬかと思った」
「うんうん」
「ちょっと、ヒカル! さっきから『うんうん』しか言ってないじゃないの! ハッ、まさかあなた……!」
「うんうん……え? ち、違うよ~!」
「そうよね、違うわよね。もしヒカルの声真似をするんだったら、きっと『レイナ~、おなかすいたぁ~』だものね!」
「ぶぅ~なにそれ。私そんなに食いしん坊じゃな~い!」
「もしヒカルの声真似をしたシャドーが現れたら、みんなカボチャパイを投げるのよっ」
「うんうん……って、あ! 今は手渡しでお願いしまーす!」


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