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愛がはじまる

第1章 愛がはじまる

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 わたしは、満さんの優しさを思うと、胸が熱くなります。
 満さんの優しさを、もう一度味わいたいなぁと、なにかにつけて思っているわたしがいます。
 わたしは、優しさに、飢えていたんだと思います。
 ですから、いままでのわたしなら考えられませんが、電話をして、
 「金曜日に
  泊まりにいっても
  いいですか?」
 と、言ってしまったのです。
 満さんは、
 「もちろんです
  大歓迎です
  こんどは
ゆっくり
  私といることを
  楽しんでください」
 と、言ってくれました。
 満さんなら、優しいセックスをしてくれるだろうなと思い、金曜日はわたしの安全日でしたので、泊まりたいと言ったのですが、あとで恥ずかしくなりました。
 満さんは、夕食を準備してくれていました。
 このヒラメは自分で捌いたと、すこし得意げに言いまして、ヒラメの刺身と和食を中心に準備をしてくれていました。
 「刺身には
  日本酒が
  合うのではないですか?」
 「きょうは
  アルコール抜きです
  アルコールなしのほうがいいんです」
 わたしは、満さんの言っている意味がわかり、顔が赤くなりました。
 満さんが、わたしとセックスをしたいと思っているのがわかって、なんだか恥ずかしくなったのです。
 たぶん、そう思ってくれていると感じていましたが、満さんが言ってくれたことではっきりしました。
 満さんは、あからさまに言うような、デリカシーの欠けた人ではありません。
 直接的な言葉では言わなかったけど、さりげなく、わたしとセックスしますと言ってくれたのです。

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