カスミ草の花束
第1章 カスミ草の花束
僕のアパートで小学校の頃の幼馴染、ホソイの結婚披露宴の三次会。と言っても、コンビニで買ったお菓子やお酒を摘んでいただけだ。
僕はハナの小さな背中を見ていた。ハナはキッチンで洗い物をしている。
「ホソイくん、幸せになるといいわね」
いつでもハナは僕らのアイドルだった。かわいい、だけじゃなくて勉強もできる優等生だ。中学のころ、バスケ部だった彼女は男子生徒からも女子生徒からも、モテモテで僕の入る余地なんかなかった。
肩まである髪を揺らして、ハナが呟いた。
「ああ……なるさ」