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妄想の世界

第58章 君はいつだって

「でもさぁ…なんでこれ?
それにそのセットがあったなら
買ってこれば良かったのに
わざわざ手作りしてくれてさ」

いろいろ探してくれて他の物もあるのに

「う〜ん…なんとなく?」

「なんとなく?」

「ん…智くんが描けなくなったのってさ
今迄いろんな絵を描いたし
いろんな物も見たり体験したりしたけど
そのぶん嫌な想いもあったし
嫌な事も我慢してやったりしたでしょ?」

「そんな…嫌な事もあったけど…
いい事の方が多かったよ」

「そっか…なら良かった
でも…例えば消せないペンとかで
字を書いたりした時に失敗したら
思わず上から黒く塗りつぶしたりするじゃん」

「うん…するね」

「でしょ?だからさ…
今の智くんの心の中も嫌だった事とか
知らないうちに塗りつぶして
黒くなってんのかなって思ってさ…」

ほんと…翔くんはすげぇや…

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