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妄想の世界

第58章 君はいつだって

けっこうな音がしたから

背中が痛かっただろうけど

そんな事を少しも感じさせずに

優しく背中をトントンされて

その心地よいリズムと安心する腕の中と心音に

いつの間にか眠ってたみたいで

目が覚めた時はベッドの上にいて

隣には気持ち良さそうに眠る翔くん

そっとベッドを抜け出して

買ってきてくれた物を漁る

見つけた真っ黒の画用紙と白いペン

昨日一緒に描いたあれもいいけど…

今日はこの黒い紙に描くよ

真っ黒な中で動けなかった俺を

救い出してくれる真っ白な君を

迷った俺にいつでも光を指して

こっちだよって笑って待っててくれる

優しくて愛しい恋人の君を描く
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