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大きな桜の木の下で

第1章 約束

単位も全て取り卒論も出した

後は卒業式を待つだけ…

周りは卒業旅行だとか

就職が決まらないとかで騒がしい

どちらも私には関係ない事だ

「は〜〜〜っ」

駄目だとわかってはいるがため息がでる

昨夜、父から見合いの話を持ち出された。

家は旧華族だが

家が広いだけで維持費やらなんだと

いろいろお金がかかる

それ程裕福では無いのは私にだってわかってはいる

大学へ行くのも最初は反対されたが

卒業したら親の決めた相手とお見合いして

結婚するという約束で了承された

本当なら高校卒業したらすぐにでもって話だったが

さすがにまだ早すぎると祖父が助言してくれた

おかげで四年間の猶予を貰った

私もその間に結婚すると心の準備もしてきた

でも…子供の頃のに出会った

あの人の事を忘れられずにいる

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