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大きな桜の木の下で

第2章 子供の頃

どうしょ…

今日はお母さんの用事で母親の実家に来たのだけど…

大人ばかりでつまらない

お庭から見えた桜の花を近くで見たくなり

この丘まで来たのけれど…

帰り方がわからない…

家を出る時にお母さんに桜を見に行くと言ってきた

私の帰りが遅ければそのうち迎えに来るだろう

まぁなんとかなるかなと呑気に思う

綺麗に咲いてる桜を見ようと

いろいろな方向から眺めてた

あっ…転んでしまった…

いっぱい歩いて疲たので

そのままごろりと仰向けになる

目の前いっぱいに桜の空

きれいだな〜って思いながらそのまま寝てしまった

「お〜い」

ん?

なんか声がする…

でもまだ眠い…

「生きてる?こんな所で寝てると風邪引くよ」

ん〜〜〜っ

うるさいな〜

こんなに暖かいんだから風邪引かないよ〜

「女の子がこんな所で寝てると
人さらいに攫われるよ〜」

えっ!

それはやだ!!

がばっと起き上がった…

ゴン!

痛っ!なに?

目の前に顔を抑えた男の子?だれ?

「痛っ〜!あっ、やっと起きた?大丈夫?」

「大丈夫……お兄ちゃんの方が痛そうよ……」

「君のおでこが口にちょっと当たっただけ
もう、大丈夫だよ」

「ごめんなさい…」

あっ!ちょっと血が出てる…

どうしょ…

あっ、ハンカチ…あった!

「あの…これ……」

「ん?汚れちゃうからいいよ
こんなん舐めときゃ治るし」

「でも…」

痛いのはお兄ちゃんの方なのに

私のほうが泣きそう…

「ありがと
じゃあ使わせてもらうね」

よかった〜(ニコッ)

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