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人から見れば地獄。ただ僕は幸せだ。

第5章 ドタバタ劇

親と暮らすことになって少しがたつが僕はその生活に馴染むことができなかった。
朝起きて見るたびに、夜帰ってきて妹とたわいない会話をしてるのを見るたびに僕は苛立ちを覚えた。
僕は仕事を言い訳に家に帰らなくなる。
そんな生活のある朝にまた事件が起きた。
母親の自殺未遂だ。
手首をまた切り風呂場が血だらけだ。
妹は足がすくんで動けない。
すぐに救急車を呼んだ。
今回もまた生き延びた。
しかしやはり僕にはこの生活は無理だ。
人の生き死にを身近に頻繁に感じるのはすごく疲れる。
それが親なら尚更だ。
仕事も休まないといけない。
僕は嫌だった。
母親を精神病院に入れる覚悟をした。
妹が何を言おうと関係ない。
最大限努力したけど僕には無理だ。
こんな生活耐えられなかった。
妹も僕も施設をでて自分の人生に誇りもてるようにするために大事な時期だった。
そんな時期にいろんな問題がおきるのは得策ではなかった。

妹にも母親を精神病院に入れる話しをした。
妹は納得はしていなかったが認めてくれた。


立て続けに僕には事件が起きる。
17歳から20歳になる目前まで働いて親方が脳梗塞で死んでしまったのだ。
僕ははっきり言って親方を尊敬はしていたが好きではなかった。
すごく怖くてたくさん怒られていたからだ。
今となっては親方が教えてくれたことに誇りをもっているが当時はいかに親方を避けるかで考えるのに必死だった。
僕は親方に成長した姿をみせれなかった。
恩を返すこともできなかった。

親方が亡くなってお店も閉めることになった。
従業員は僕と弟弟子と女将さんしかいなかった。
これからどうしようって考えてた時に女将さんに呼び出された。
なんだろうと思って話を聞きにいったら僕が2年半勤めた退職金といってお金をもらった。
更にその中には今まで働いてた月の不足分がはいっていた。
簡単に言うと毎月給料から積み立てでお金を貯めといてくれたのだ。
「まだまだ若いからこのお金でなにかやってもいいしそのまま貯金するのも自由。
短い間だったけど親方についてきてくれてありがどう。仕事できるから料理人だけは辞めないでほしい。」
そういわれて僕は心が熱くなったのを今でも覚えてる。
いつか料理の世界で成功してやるって思った。

それとは別に自分のやりたいことをやろうと決めた。
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