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人から見れば地獄。ただ僕は幸せだ。

第1章 幼少期

2週間の路上、公園生活だ。
この時の記憶はほとんどない。
お金が底をついてからは万引きをし、
パチンコ屋からお湯をもらい粉ミルクをつくり妹に飲ませる。
通報され、警察が徘徊するようになり、
どこか移動する。
そんな生活だった。
僕はなんとかなるもんだなぁと思っていたが、妹はそうではなかった。
顔や体に赤いポツポツがでてずっと泣いて泣き止まなくなったのだ。
僕は混乱し、なんとかしようとするがなすすべがなく、ポケットに大事にしまっていた名刺をとりだし、電話をかけた。
助けてください。妹が限界なんです。
僕は電話の相手に泣きながら事情を説明し、公衆電話の番号を伝えすぐに向かうと言われそこで待つことにした。
1時間前後がたち迎えにきてくれたのは後に僕の担当になる児童相談所の先生と昔から僕のことを知ってる先生だ。
もちろん僕はその先生が僕のことを知ってるなんて知らなかった。
妹が保護され、僕はその先生に抱きしめられた。
これでもかと抱きしめられ、泣きながらこう言われる。
ごめんなさい。私たちに力がなくてごめんなさい。
そして助けを求めてくれてありがとう。
そうこの時はまだ児童相談所に親と子を離す権限がそこまでなく子供の意志より大人の意思が尊重されたのだ。
それでも僕はその先生からものすごい愛を感じた。
そして児童相談所にまた預けられるのだ。


次の日から忙しく、面談や精神鑑定など色々なことをやらされる。
精神鑑定はとにかく多くて一日5種類くらいはやらされる。
変な模様見せられなに見える?だとかりんごの木をかいてとか、箱庭だったりとか色々やらされた。
大人になって知ったが、この時の僕の結果は散々だったらしい。
快楽殺人鬼と同じ結果がでてしまい、それに戸惑いを隠せなかった児童相談所の先生は僕は北海道のある施設に送ることをきめた。
全国でも一番厳しいと言われる施設だ。

そう。僕は地獄から這い上がったと思ったらまた地獄におくられたのだ。
話を聞くだけで行きたくないと言った僕におかまいなく施設におくりだされた。
妹とは児童相談所を出た日以来会ってない。

そして僕の児童自立養護施設に行くことになる。

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