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人から見れば地獄。ただ僕は幸せだ。

第1章 幼少期

平日の昼間に粉ミルクをもらいにいく僕。
普通なら小学校にいってる時間に粉ミルクをもらいに来た僕をみて驚いた顔をする近所の人。
見るからに何日も風呂のはいってないボサボサの髪の毛。
生きるのに、妹を生かせるのに必死だった僕は周りの目など気にしてる余裕もなかったのだ。

近所の人は僕たちの家から怒鳴り声が聞こえてるのを知っていて、子供の泣き声がやまないのも知っている。
そして今回の事だ。
育児放棄という考えになったのだ。
近所の人が児童相談所に連絡をしたのだ。
今となってはすごい行動力だと思うし、助けてもらったと思う。
ただ当時の僕は素直に喜べなかった。
なぜならばこのことをきっかけで今になってもその妹とは会うことがなくなってしまったからだ。

粉ミルクをもらってから数日たったある日、
ピンポーンと家のチャイムがなった。
家に親がいて僕は誰が来たのか、そしてなんの話をしてるのかなにもわからなかった。
僕はお客さんがきたと思い物音たてないことに必死になる。

お客さんがきて数分後に母親の怒鳴り声が聞こえた。
何を言ってるのか定かではなかったが僕と妹のことを言ってるのは聞こえた。
怒鳴り声がやんだと思ったら部屋のドアが開いた。
スーツをきた見たことないおじさんが僕にまたくるからね。
それまでまっててね。
と名刺をもらった。
児童相談所の職員で裏には電話番号が記載されていた。
なんでもいいから助けを求める時にいつでも電話してほしい。
そう言って家を後にした。

怒鳴り声が聞こえた後だから母親を見るのは怖かった。
ただ母親は優しかったのだ。
旅行に行くから車乗って。
なにも準備してない僕と妹は車に乗せられ移動する。
母親の顔が優しかったせいか僕は安心してお腹すいたと言った。
どこかわからない街のコンビニで母親からお金をもらい何か買ってきなさいと言われ車をおりた。
妹を抱っこしてたため妹と一緒だ。
おにぎりを数個買い車に戻ろうとしたら駐車場に車がない。
どこをみてもない。
すぐにわかった。置いてかれたのだ。
悲しみよりも、解放された喜びの方が強く、
僕は内心喜んでいた。
その後の生活を考えると喜んでられないのに。

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