❇️片暉の残照❇️
第10章 嫉妬の代償
「医師を客室に――――!」
走りながら自室に待機していた医師を怒鳴り声で客室に向かわせたサンドラはテイスを一番豪勢な客室に寝かせると従者やメイドたちに指示をだす!
すると、メイドたちは血の気のないテイスに一瞬戸惑いを見せるが医師にすぐに見せれるようにてきぱきと服を脱がせていく!
そこへ、メルトとロミが到着するも着替え中だと中へ入れてもらえなかった!
「!?テイスに――――何があったんだ!」
「城下町の露店で――――…髪と…服を切りつけられ…て…」
震えながら状況を説明したニコルは、その時の状況を思い出したのか…泣き崩れた!
「お、恐れながら……テイス様には傷はございませんが……ショックから気を失いまして」
気を失っただけ――――と、聞きメルトは一瞬ホッとしたが…
――――メルトの頭を“眼帯”が過る!
そして、すでに部屋を出ていたサンドラに掴みかかる!
「眼帯――――眼帯は…外させないでください!」
「?は――――…眼帯…あっ――――そうだな…」
サンドラはメルトの必死な形相に何かを察したのか客室にいるメイドに「眼帯には触れるな」と、指示を出した!