❇️片暉の残照❇️
第10章 嫉妬の代償
その後、王宮医師がテイスの様子を見て、サンドラに報告をする。
中にいた、ニコルも徐々に顔色が良くなるテイスにホッとしていた。
王宮メイド達が部屋を医師と一緒に出ていき、やっとメルトとロミが客室に入れたが――――…
テイスの雑に短く切られた髪を見て絶句した。
「こ…これは――――どういう…事…ですか?」
メルトは寝ているテイスの側に行くと力なくベッドサイドで崩れた。
「――――メルト…」
ロミは崩れたメルトの肩を支える。
「本当に――――…一瞬の出来事でした…側にいた我々も何が…何だか…
テイス様の事を――――罵倒して…髪を切ることが目的だったと言わんばかりで」
キロが悔しそうに拳を握る。
「申し訳…ございません――――側におりなが…申し訳ございません!」
キロは何度も…項垂れるメルトに頭を下げた。