❇️片暉の残照❇️
第10章 嫉妬の代償
メルトは小さな寝息を立てるテイスの頬を撫でると切なくなった。
守りたい――――…そう…思っていたのに…
「――――しかし…“身の程をしれ”とか“悪魔”とか…随分ないいようだなぁ…、テイスは公爵令嬢であり、とがめられるものはない…眼帯の事を言っているのなら――――…髪やベールなどでパッと見分からないはずだが」
メルトの背中を支えるロミが、ふと…疑問を投げ掛ける。
ロミはその場の状況を想像しながら…疑問点をあげていく――――。
「それが――――…不審な人物など――――いなかったと思います…」
キロはテイスが教われた前後の事を思いだし発言をする。
「ああ――――俺も、気をつけていたから…怪しい者は特に…」
サンドラも襲撃には備え気は張っていたつもりだった。
しかし、テイスとの露店巡りに食べ歩き――――久々にリラックスし楽しんでいた事は確かである。