❇️片暉の残照❇️
第10章 嫉妬の代償
やっぱり――――…化け物…だと…ハジロ公爵様にバレたんだ…。
お兄様は知っていたし…
かばいきれなかったに違いない…。
私は、左目をそっと触る――――…と、そこには眼帯があり…更に切なくなった。
外して――――見るまでもないってことだったのだろう…。
「――――お兄様に…謝らないと…」
私はそっとベッドを抜けるも――――…足が震えるのか…床にペタリと崩れた。
「――――ここを…でないと…」
暗がりからでも分かる立派なベッドにフカフカなカーペット…。
片目でも欲しいと言う――――変わり者の貴族の家だろうか…
だとしても、ここにはいられない…。
化け物として見せ物になるくらいなら……ここを抜けたし…お母さんと暮らしていたあの山に――――帰ろう。