❇️片暉の残照❇️
第10章 嫉妬の代償
「私――――片目だから…この目が気持ち悪いから…嫌われたと…思ったの……この目を見られたら…捨てられるって…」
私は左目の眼帯を押さえながら…彼の腕を掴んだ。
「――――傷が…あるって言っていたね…そんなことで君を捨てるなんて…そんな男と君は養子縁組をしたのか?」
私は力一杯首を横に振った!
「いえ!ハジロ公爵様は立派です――――…こんな私を…引き取ってくださり、成祝まで受けさせてくださった!
お母さんのことも――――…」
私は、ハジロ公爵様が無慈悲な人間だと思われたくなくて必死に弁解した!
「なら――――…君を“捨てる”…男ではないんだよな?分かっているのに…君が君の大事なものを侮辱してどうするんだ…」
私は、自分がハジロ公爵様を軽んじていたことを気づかされ…申し訳なさで涙が溢れてきた。