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雷鳴の夜

第34章 送る

飲みながらなぜ雷が嫌いなのかを聞いた

両親が亡くなった日も雷鳴轟く夜だったらしい

帰りが遅いのを10歳の女の子が…

たった一人で待つ夜に

そんな知らせだけでも辛いのに

更に雷が鳴り響きかなり怖かっただろう

この部屋は両親の遺してくれた物らしい

松兄と暮らす間や高校の寮で暮らした期間

人に貸していたそうだ

両親と住んだ場所を手放したくは無いが

事故の影響か部屋に入れなくなった

ここでまた暮らせるようになったのは最近

そんな話をポツポツと話してくれた

こんな広い部屋に雷鳴轟く夜に女の子一人

部屋の隅に蹲る姿を見た気がして抱きしめたくなる

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