テキストサイズ

雷鳴の夜

第7章 不安

ふっと目が覚め隣にあったはずの温もりがない

手を伸ばしても空を切る

あれは夢だったのかと不安になり

慌ててベッドから抜け出す

キッチンでタバコをくゆらす後姿

幻じゃないかと抱きつく

「うぁ⁉あぶねぇ〜どうした?」

落ちそうになったタバコを消しながら聞く

「起きたら…いなかったから…
夢だったらどうしょうって…」

抱きしめて離れない私の腕を優しく撫でる

「ごめんな…幸せを噛み締めてた」

「…てよ…」

「ん?なに?」

背中に埋めたままの声は聞き取れなかったみたい

ストーリーメニュー

TOPTOPへ