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う、うそ……この子、ね、禰豆子ちゃんだよね……
あのイケメン怖モテ彼氏の……
や、ヤダ……こんな姿……

彼女の顔には無数の打撲痕があった。
中にもいちばん酷いのは顔だ。
右頬が痛々しく、片目が開かないくらい腫れ上がっている。


痛々しい……なんてひどいことを……！


私は怒りに満ちた双眸で先輩を睨みつけた。


「ああ〜可哀想だよね〜でも、そいつが悪いのさ。ヤらさしてくれねぇから」


先輩はなんの悪気もない様子で、気を失っている少女の髪の毛を掴み上げた。


「う……！」


少女が小さく呻く。
先輩は舐めまわすように禰豆子ちゃんを見つめると、勢いよく突き飛ばした。


「……なんて事するのよ！！」


私はすぐさまうつ伏せになっていた体勢を起こすと、床に倒れ込む禰豆子ちゃんの身体を抱きしめた。
何とか私が抱きしめたから禰豆子ちゃんは床に頭を打たずに済んだ。
もしこれが、私が一足遅ければ……


頭を打って大惨事だ。

そう思うと、私は先輩を殴りたくなった。