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イチャつく私達を見ていた商店街のマダムが恨めしそうにこちらを眺めている。


穴が空くほど私達を睨みつけていたマダムは素早く旅行券を袋に入れると、叩きつけるように私に渡した。


「おめでとう。彼氏さんと仲良くね」


嫌味ったらしい言葉と共に、満面の笑みを向けられる。


「あ、ありがとうございます……」


私は恐る恐る手を伸ばすと旅行券を受け取った。


正直いって怖い……マダムの圧が半端ない。


「旅行で2人とも別れないようにね。旅行はトラブルが付き物だからね。何かとカップルは喧嘩しやすいのよ」


満面の笑みでわざとらしく、マダムが言う。


なんで！？ この場面で言う必要ある！？
人が楽しい旅行気分でいるのに……！？


私が無言で俯いていると、マダムが更に追い打ちをかけてきた。


「では、お二人共、行ってらっしゃい」


嫌味ったらしい笑顔で手を振るマダムを恨みたくなった。



でもまさか、あんなにハプニングが連続するなんてね……