エッチな女子達の事情
第4章 エッチな女子達の旅行①
「杏里? どうした? 食べないのか?」
なかなかスイートポテトの封を切らない私に、杏寿郎さんが心配そうに私を見つめる。
あ、杏寿郎さんに心配かけちゃったな……
胸がちくりと痛む。
私は取り繕うように首を振った。
「うんうん、ツアー客の人達が沢山いたからビックリしただけ」
「そうか?」
「うん、そうだってば。心配症だな杏寿郎さんは」
いけない、こんな所で杏寿郎さんに心配かけたくない。
本音は言えないな。同中のひとつ上の加賀美先輩がいるなんて。
加賀美先輩は教師の杏寿郎さんが好きで、手作り弁当や、手作りクッキーなどを上げて猛アピールしている先輩だ。
そのため、杏寿郎さんと恋人同士である私を嫌い、毎回のようにいじめを仕掛けてくる困った先輩でもあった。
最悪……こんなところで会うなんて…
しかもこっち凄い睨んでるし。