エッチな女子達の事情
第4章 エッチな女子達の旅行①
加賀美先輩の隣にはおそらく、ポスト役だろう彼氏がいる。
加賀美先輩の本命は杏寿郎さんなのだが、容姿端麗でプライドが高い先輩だ。彼氏がいないとなれば笑いものになる。
そのため、対して顔もかっこよくない彼氏を落とし、ポスト代わりにしているのだ。
性格も、やることも腹黒い先輩は私を見るなり、突き飛ばしたり、水をかけてきたりする。
最初は嫌だったが、もう何回もやられたら自然と慣れるものだ。
腰まであるロングヘアーを揺らしながら、先輩が私に近づいてくる。
わざと髪をなびかせるように歩いてくる先輩は間違いなく、杏寿郎さんを狙っていた。
ここで杏寿郎さんと話して、私を追い払おうと言うわけだ。
でないと何も用事がないのに私に近づいてきたりしない。
「おはよう。結城さん」
わざと髪を指で掻き上げながら先輩が挨拶をする。
「お、おはようございます」
私は嫌だったが相手は『先輩』と自身に言い聞かせ、頭を下げると挨拶をした。