エッチな女子達の事情
第4章 エッチな女子達の旅行①
「ああ、加賀美も来ていたのか」
「ええ、彼氏と来てまして」
加賀美先輩がペコリと頭を下げる。
わざとらしいお辞儀だ。
男を意識したわざとらしい態度に、私はそろそろ限界だった。
女狐……早く杏寿郎さんから離れろ……!
加賀美先輩が杏寿郎さんから離れてくれるのを待っていると、旅館のロビーからようやく女将らしき人物が現れた。
どれだけ待ったんだろう。あのロビーから人が出てくるのを。
女将らしき人の手には、出席簿みたいなファイルが握られている。
アレはなんだろうとファイルに目を向けていると、女将らしき人と目が合った。