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子犬、拾いました!

第2章 夏祭り

人混みをかき分けて、チョコバナナの屋台に向かう。


「お、可愛いカップルだね。スプレーチョコたっぷり付けてあげようね」

屋台のおじさんはご機嫌にサービスしてくれた。


「ごめんね、陽太くん。私といると恋人に間違われるね」

「ん? 俺は気にしないけど?」


気にしないか…。 私、なんか期待してたのかな? 陽太くんと恋人に見られて、嬉しかったんだ…


「瑠菜さん、どうしたの?」

何も気づかない陽太くんは、口の端にチョコを付けて、尋ねてきた。

「…なんでもないよ。てか、チョコ付いてるよ(笑)」


まぁ、良いや。忘れよう。楽しいお祭りなんだから。

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